
ここで紹介する中古車の写真の撮り方のコツは、展示場で撮影するスタッフが毎日直面する現実の課題に対応したものです。撮影条件のばらつき、時間の制約、機材の違い、そしてスピードと品質の両立。どのコツも、手直しを減らす、処理を早める、掲載の遅れにつながるミスを防ぐ、のいずれかに直接役立ちます。
リストを印刷して、車の写真を撮るスタッフ全員で共有してください。チーム全員が同じやり方を徹底すれば、在庫全体で仕上がりがそろいます。
塗装の汚れ、ガラスの水あか、車内のごみは、どれも写真にそのまま写ります。実際の汚れを後処理で自然に消すことはできません。さっと洗車して車内を拭いておけば、何時間もの手直しや、車の状態についての購入希望者からの問い合わせを防げます。
最低限の清掃基準を決め、撮影を始める前に満たしているか確認しましょう。清掃にかける5分は、汚れを避けながら編集したり、汚れた車を撮り直したりする時間に比べれば、はるかに短く済みます。
撮影を始める前に、車のまわりをひと回りしましょう。よくある目障りなものは次のとおりです。
後から気づくと、トリミングや編集、撮り直しが必要になります。目障りなものの確認を、撮影前のルーティンに組み込みましょう。30秒の見回りで、30分の修正を防げます。
車をどこに置くかで、背景に何が写るか、塗装にどう光が当たるかが決まります。背景の差し替えツールを使う場合でも、置き場所がよければ元の写真の質が上がります。ゴミ置き場やほかの車、ごちゃごちゃした背景からは、できるだけ車を離しましょう。
展示場の中で、背景が最もすっきりしていて、光が最も安定している定位置を2〜3か所決めておきましょう。毎回その場所を使えば、撮影条件をそろえられます。
内装の撮影でドアやハッチを開けると、外装の撮影順序に影響します。まずシートの位置、ハンドルの角度、ドアの見せ方を含めて内装を整え、そのあとすべて閉めて外装を撮影します。こうすれば、内装を整え直したり、車のところへ戻ったりする必要がなくなります。
カメラやスマホが違えば、色の傾向や露出、画像の特性も変わります。機材が混ざるとばらつきが生まれ、処理で補正しなければなりません。すべての撮影を1種類の機材に統一して、元の素材のばらつきを最小限に抑えましょう。
複数の機材がどうしても必要な場合は、すべて同じ設定にして、仕上がりが十分にそろうかテストしてください。
自動露出は1枚ごとに調整されるため、背景の明るさが変わると、一連の写真にばらつきが出ます。最初の1枚で車そのものに露出を合わせて固定し、すべてのアングルでその設定を保ちましょう。露出がそろえば、処理の結果もそろいます。
ほとんどのスマホでは、撮影前に画面上の車を長押しすると露出を固定できます。光の条件が大きく変わる内装の撮影に移るときに、固定を解除しましょう。
HDR処理は条件によって仕上がりがばらつき、不自然な画像になることもあります。通常の在庫車の撮影では、1回の露出で撮ったそろった画像のほうが、処理の結果を予測しやすくなります。カメラ設定でHDRをオフにしましょう。
例外:暗い車内に明るい窓が写るような、明暗差が極端に大きい場面では、HDRが役立つこともあります。HDRを常にオンにしておくのではなく、状況ごとに判断してください。
スマホのレンズには、普段の扱いの中で指紋や汚れがたまります。わずかな汚れでも写真がかすみ、どんな処理でもくっきりさせることはできません。1台ごとに撮影を始める前に、柔らかい布でレンズを拭きましょう。
ぼやけた写真に気づいてから思い出すのではなく、レンズ拭きを無意識の習慣にしましょう。
撮影順序を決めておけば撮り漏れがなくなり、ファイルの整理も楽になります。メインとなる斜め前からのカットで始め、外装を毎回同じ向きで一周し、内装も決まった順序で撮影します。すべて撮れたかどうかを、記憶に頼って確認するのはやめましょう。
自店の標準の撮影順序を番号付きリストにまとめておきましょう。新人スタッフはすぐにそのとおりに撮影でき、経験のあるスタッフは撮り漏れがないかを照らし合わせられます。
距離や高さがばらばらの写真は、掲載ページでもばらばらに見えます。車に対する立ち位置を統一しましょう。側面のカットはボディから同じ距離で、すべてのアングルは同じ高さで、車を中央に収める方法も毎回同じにします。撮影がそろえば、見せ方もそろいます。
展示場に目印をつけたり、「車から腕2本分」のように体を基準にした目安を使ったりして、距離を一定に保ちましょう。
ぎりぎりの構図では、トリミングの調整や、中古車情報サイトのセーフゾーンに使える余地が残りません。四辺すべてに余裕を持たせましょう。後からきつめにトリミングすることはいつでもできますが、撮っていない余白を処理で足すことはできません。
目安として、車の上下左右すべてに少なくとも1フィート(約30cm)の余白を入れましょう。余白は少ないより多いほうが安心です。
ピントの甘さは処理では直せません。1枚撮るごとにプレビューでシャープさを確認し、必要なら細部を拡大して確かめます。ピントの甘い写真もその場なら数秒で撮り直せますが、後から気づくと、移動した車や売れてしまった車のところへ戻らなければならないこともあります。
撮る、確認する、次の位置へ移る。この流れに確認を組み込みましょう。見ないまま、撮れていると思い込まないでください。
真上からの直射日光は、濃い影や白とびを生み、処理でも補正しきれません。早朝や夕方の光はやわらかく、車をきれいに見せてくれます。曇りの日は光が均一に回るので、どのアングルからでもきれいに撮れます。
どうしても真昼に撮影する場合は、日陰を探すか、処理でより大きな補正が必要になると割り切りましょう。
塗装やガラスには、ほかの車や建物、撮影者自身など、まわりのものが映り込みます。撮影前に、反射する面に目障りなものが映っていないか確認しましょう。少し位置を変えるだけで、気になる反射を手間をかけずに消せることがよくあります。
ロゴのない暗い色の服を着れば、反射に自分が写りにくくなります。明るい色のシャツや会社のロゴは、塗装や窓の反射によく写り込みます。
光源に向かって撮るより、車の正面に光が当たる位置に立つほうが、露出がうまく決まります。外装の撮影では、太陽を背にするか、横に置きましょう。逆光では車がシルエットになり、窓も白とびして、どんな処理でも補正しきれない問題が生まれます。
影の向きを見て、影がカメラ側ではなく反対側に伸びる位置に立ちましょう。
コツは、継続して実践してはじめて役に立ちます。計画的に取り入れて、リストを実際の行動に変えましょう。
ここで紹介したコツに沿って撮影した写真は、Car Background AIの自動ワークフローで、より早く、よりきれいに処理できます。元の写真の質がそろえば、仕上がりの質もそろいます。背景の差し替え、明るさの最適化、色の調整は、どれもきちんと撮影された元の写真から始めるほうがうまくいきます。
また、一括処理の仕組みを使えば、良い撮影習慣の効果が在庫全体に広がります。正しく撮影した車はどれも効率よく処理でき、掲載のたびに時間の節約が積み重なります。
ここで紹介した中古車の写真の撮り方15のコツは、撮影で本当に大切なことについて、現場で積み重ねてきた知恵をまとめたものです。どのコツも、手直しや遅れ、品質の問題を引き起こす現実の課題に対応しています。チーム全体で継続して実践すれば、掲載までの時間が短くなり、撮り直しの依頼が減り、掲載ページの見せ方もよりプロらしくなります。良い撮影が、良い掲載につながります。改善した写真をCar Background AIで処理して、質の高い元写真の効果を実感してください。
撮影前の清掃が、最も効果の大きいコツです。汚れやごみは、ほかのどの要因よりも多くの手直しを生みます。清掃にかかる時間は、汚れを避けながら編集したり、汚れた車を撮り直したりする時間より、必ず少なく済みます。
手順が標準化されていれば、一連のカットをすべて撮り終えるのに1台あたり5〜10分ほどです。必要に応じて、車の準備時間を加えてください。5分未満で急いで撮ると、たいてい撮り漏れや品質の低下につながります。
最近のスマホは、正しく使えば中古車情報サイトへの掲載に十分な品質で撮影できます。プロ用カメラには利点がありますが、必須ではありません。機材の価格よりも、撮り方をそろえることのほうが大切です。どの機材を使う場合でも、常に同じやり方で正しく使いましょう。
早朝と夕方は、車を最もきれいに見せる自然光が得られます。曇りの日なら時間帯を問いません。真昼の強い日差しは、できるだけ避けましょう。業務の都合で真昼に撮影する場合は、難しい光の条件を処理で補正する必要があると考えておきましょう。
良い例と悪い例の写真を見せながら、コツをひとつずつ説明します。独り立ちする前に、経験のある撮影担当者に同行させましょう。最初の数台はしっかりチェックし、具体的にフィードバックします。指導を受けながら実践を重ねることで、技術が身につきます。
はい。撮影前の確認、撮影順序、撮影後の確認をまとめた、ポケットサイズのチェックリストを印刷しましょう。新人スタッフは撮影中に見返すことができ、経験のあるスタッフは撮り漏れの確認に使えます。紙のチェックリストは、記憶に頼るよりも確実に手順の抜けを防げます。

Tamas Magda
Car Background AIの共同創業者(事業成長・提携担当)
Tamas Magdaは、Car Background AI(carbackground.ai、CarBG)の共同創業者です。CarBGは、販売店の在庫車の写真の背景を差し替える、車の写真向けの画像編集AIです。提携、事業成長、事業設計を統括し、開発チームとは製品ロードマップを、販売店とはオンライン掲載に本当に必要なことを一緒に考えています。APAC(アジア太平洋)とMENA(中東・北アフリカ)で新規事業の立ち上げに携わってきた経験を持ち、在庫車の見せ方や販売店の写真ワークフロー、車そのものを変えずに掲載画像にAIを活かす方法について執筆しています。
TamasはCar Background AIの共同創業者であり、同社に金銭的な利害関係があります。Car Background AIに触れる記事には、この立場が反映されています。