展示場での車の写真の撮り方:スマホとカメラの設定ガイド

正しい車の撮影設定を使えば、展示場でばらつきがちな写真も、そのまま編集に回せる元データになります。スマホでも専用カメラでも、ここで紹介する車の写真の撮り方と設定は、販売店ならではの課題に対応します。混在する光、変わりやすい天候、反射しやすい面、そして時間の制約です。

次の撮影セッションの前に、これらの設定で端末を準備しておきましょう。設定がそろえば仕上がりもそろい、プロらしい掲載写真へ効率よく加工できます。

概要

  1. 展示場での撮影の課題
  2. 販売店の撮影に向けたスマホの設定
  3. 一眼レフとミラーレスカメラの設定
  4. カメラのレンズ選び
  5. 特殊な状況での設定
  6. Car Background AIによる写真の仕上げ
  7. まとめ
  8. よくある質問

展示場での撮影の課題

販売店の展示場には、設定で対処すべき特有の技術的な課題があります。

  • 光の変化:屋外の光は、時間帯や天候によって変わります。朝の日差し、午後の日差し、曇りの日では、どれも条件が異なります。設定は、この幅のどこでも使える写真が撮れるものでなければなりません。
  • 露出の差:明るい外装と暗い内装の組み合わせは、どんなカメラのダイナミックレンジにとっても難題です。一方に合う設定が、もう一方では合わないこともあります。
  • 反射する面:塗装、ガラス、クロームは周囲を映し込みます。設定によって、映り込みの目立ち方が変わります。
  • 時間の制約:展示場での撮影はスピード勝負です。そのたびに調整が必要な設定では、作業が大きく遅れてしまいます。

販売店の撮影に向けたスマホの設定

最近のスマホは、正しく設定すれば車の写真を十分きれいに撮れます。以下の設定はiPhoneとAndroidのどちらにも当てはまり、違いは画面の操作が少し異なる程度です。

解像度とファイル形式

  • 最大解像度:常にスマホで選べる最高の解像度で撮影します。画素数が多いほどトリミングの自由度が増え、購入希望者が細部まで確認できます。容量を節約するために解像度を下げてはいけません。ストレージは安く、細部の情報には価値があります。
  • ファイル形式:ほとんどの販売店のワークフローでは、標準のJPEGで十分です。RAW/ProRAWは編集の幅が広がりますが、加工の専門知識と多くの容量が必要です。RAWを使う具体的な理由がなければ、JPEGで足ります。
  • アスペクト比:16:9(ワイド)ではなく4:3(標準)で撮影します。横長の形式では、車の写真の上下の情報が大きく切り取られてしまいます。4:3で撮っておけば、加工の段階でいつでも横長にトリミングできます。

露出の設定

  • AEロック(自動露出ロック):撮影前に車のボディを長押しして露出を固定します。こうすると、車のまわりを移動したときに背景の明るさに合わせてカメラが露出を変えるのを防げます。空や地面ではなく、車で固定してください。
  • 露出補正:明るい条件では、白や明るい色の車の白飛びを防ぐために、露出を-0.3〜-0.5段下げます。曇りの日の暗い色の車は、+0.3〜+0.5段上げます。
  • フルオートは避ける:完全な自動露出では、一連の写真ごとに明るさがばらつきます。外装を撮るあいだは露出を固定し、内装の撮影に移るときに設定し直します。

ピントの設定

  • タップでピント合わせ:自動のピント合わせに頼らず、必ず車をタップしてピントを合わせます。各カットで最も重要な部分にピントを合わせましょう。通常、ヒーローショットではフロントのボディパネルです。
  • AFロック:ピントを合わせたら固定し、構図を決める間にカメラがピントを合わせ直すのを防ぎます。AEロックと組み合わせれば、撮影条件をそろえられます。
  • ピントを確認:撮影後はプレビューを拡大してピントを確認します。甘ければピントを合わせ直して撮り直しましょう。確認に代わる設定はありません。

オフにする機能

  • HDR自動:通常の在庫撮影では、自動HDRをオフにします。HDRは条件によって仕上がりがばらつき、不自然な写真になることがあります。明るい窓がある暗い車内など、明暗差が極端な場面でだけ手動でオンにしましょう。
  • ナイトモード:ナイトモードや暗所補正の機能はオフにします。これらの機能はカメラ内で処理を加えるため、あとの編集の妨げになります。光が足りないときは、計算による補正に頼らず、照明を足すか明るくなるのを待ちましょう。
  • シーン検出:被写体を検出して設定を自動で調整するスマートシーン検出はオフにします。自動の最適化はばらつきを生みます。販売店の撮影には、手動で設定をそろえるほうが向いています。
  • Live Photos/モーション:ファイルサイズが大きくなるだけで販売店にとって利点のない、動きを記録する機能はオフにします。

カメラアプリの選び方

基本的な用途なら標準のカメラアプリで十分です。より細かく手動で操作したい場合は、ProCamera、Halide(iOS)、Camera FV-5(Android)などのサードパーティ製アプリがあります。どのアプリを選ぶ場合も、本番で使う前に操作をしっかり覚えておきましょう。

一眼レフとミラーレスカメラの設定

専用カメラはスマホよりも細かく操作できます。以下の設定で、展示場の条件に合った仕上がりになります。

撮影モード

  • 絞り優先(AまたはAv):絞りを設定し、シャッタースピードはカメラに任せます。このモードなら、変化する光に合わせながら被写界深度をコントロールできます。
  • 絞りの選び方:ほとんどの販売店の写真撮影では、f/8で十分な被写界深度とシャープな仕上がりが得られます。絞りを開けると背景はぼけますが、車全体にピントが合わないことがあります。絞りを絞ると、シャッタースピードを遅くするかISOを上げる必要があります。

ISOの設定

  • できるだけベースISOで:光が十分なときは、カメラのネイティブISO(通常は100または200)を使い、画質を最大限に保ちます。
  • 上限付きのオートISO:カメラに応じて、上限を1600〜3200程度にしてオートISOを設定します。柔軟性を保ちながら、暗い場所でのノイズの増えすぎを防げます。
  • 極端な値は避ける:ISOが高すぎると、加工でも取り切れないノイズが出ます。日陰でISOが低すぎると、三脚が必要なほどシャッタースピードが遅くなることがあります。

ホワイトバランス

  • 太陽光プリセット:屋外の展示場での撮影には、太陽光(晴天)のホワイトバランスを使います。オートホワイトバランスは写真ごとに変わりますが、プリセットなら一定に保てます。
  • 曇り:曇りの日は曇天プリセットに切り替えると、暖かみのある自然な仕上がりになります。
  • 完璧さより一貫性:一定のホワイトバランスは、写真ごとにばらつく完璧なホワイトバランスよりも加工しやすくなります。わずかな色かぶりは補正できますが、1セットの中で色かぶりがばらつくと厄介です。

フォーカスモード

  • シングルAF(AF-S):シャッターボタンを半押しするとピントが固定されるシングルAFを使います。コンティニュアスAFでは、撮影前にピントが合わせ直されることがあります。
  • 1点AFの選択:1点AFを使い、測距点を車のボディに合わせます。ゾーンAFや多点AFでは、背景にピントが合ってしまうことがあります。
  • 親指AF:親指AF(バックボタンフォーカス)を設定して、ピント合わせとシャッターを切り離すことも検討しましょう。一度ピントを固定すれば、合わせ直さずに何枚も撮影できます。

ファイル形式

  • 柔軟性を最大にするならRAW:RAWファイルはJPEGより多くの情報を残せるため、編集に有利です。RAWを現像できる環境があれば、RAWで撮影すると仕上がりを最も高められます。
  • RAW+JPEG:両方を同時に記録すれば、ワークフローの柔軟性が高まります。すぐに使うならJPEG、しっかり編集したいときはRAWを使います。
  • JPEGは最低でもファイン:JPEGだけで撮る場合は、選べる最高画質の設定を使います。圧縮によるノイズは、車の細部で目に付きます。

カメラのレンズ選び

  • 標準ズーム(24〜70mmまたは相当):販売店の撮影で最も汎用性の高い選択です。車全体を撮れる広さがあり、ゆがみなく細部を撮れる焦点距離もあります。
  • 超広角は避ける:24mmより広角のレンズは遠近のゆがみが出て、車が不自然に見えます。狭い車内では便利ですが、外装には向きません。
  • 長い望遠は避ける:焦点距離が長すぎるレンズは遠近感を平らにし、車の比率を実際と違って見せてしまいます。

特殊な状況での設定

車内の撮影

車内は外装とは課題が異なります。外装から車内に移るときは設定を調整しましょう。

  • ISOを上げる:車内は光が少なくなります。露出不足や手ブレを招くより、ISOを上げて十分なシャッタースピードを確保しましょう。
  • 露出ロックをやり直す:車内の面は外装とは適切な露出が異なります。ダッシュボードやシートの面で露出を固定し直します。
  • HDRを検討する:明るい窓が入る車内の写真は、HDRが役立つ可能性がある唯一の場面です。暗い車内と明るい窓のバランスを取れます。

黒や暗い色の車

  • 少しだけ明るめに:自動露出では、暗い色の車は暗く写りがちです。+0.3〜+0.7の露出補正をかけて、暗い塗装の細部を出しましょう。
  • 白飛びに注意:暗い塗装に合わせて明るくすると、明るい映り込みが白飛びすることがあります。両方の細部が残るように露出のバランスを取りましょう。

白や明るい色の車

  • 少しだけ暗めに:自動露出では、白い車は明るくなりすぎます。-0.3〜-0.7の露出補正をかけて、明るい塗装の細部を残しましょう。
  • ヒストグラムを確認:ハイライトが白飛びしていないか確認します。白飛びした白い車の細部は、加工しても取り戻せません。

Car Background AIによる写真の仕上げ

これらの設定で撮った写真は、Car Background AIの自動補正機能でより効率よく処理されます。元の写真の品質がそろえば、仕上がりの品質もそろいます。プラットフォームの明るさの最適化機能が残ったばらつきを整え、適切な設定が補正の必要な部分を最小限に抑えます。

まとめ

正しい撮影設定をすれば、スマホやカメラが頼れる撮影ツールになります。一度設定し、撮影のたびに設定を確認すれば、プロらしい掲載写真へ効率よく加工できると安心して撮影できます。設定は技術の代わりにはなりませんが、良い設定は良い技術を支えます。設定を整えて撮った写真を、Car Background AIで処理すると、質の高い元写真が自動処理の仕上がりをどれだけ高めるかを確認できます。

よくある質問

車の写真の撮り方で最も重要なカメラ設定は何ですか?

露出ロックです。車のボディで露出を固定すると、背景の明るさの変化に合わせてカメラが露出を変えるのを防げます。一連の写真で露出がそろうため、1枚ずつ補正が必要なばらばらの露出よりも効率よく処理できます。

車の写真にHDRは使うべきですか?

基本的には使いません。HDRは仕上がりがばらつき、不自然な写真になることがあります。自動HDRはオフにしましょう。HDRを検討するのは、明るい窓が入る車内の写真など、明暗差が極端な特定の場面だけです。

どの解像度で撮影すべきですか?

常に選べる最大の解像度です。解像度が高いほどトリミングの自由度が増え、購入希望者が細部まで確認できます。ストレージは安く、細部の情報には価値があります。容量を節約するために解像度を下げてはいけません。

一眼レフは必要ですか?スマホでも撮れますか?

最近のスマホは、正しく設定すれば十分きれいな写真が撮れます。一眼レフは操作の自由度が高く画質もわずかに上ですが、中古車情報サイトにプロらしい写真を掲載するのに必須ではありません。機材の価格より、どの端末でも一貫した撮り方を守ることのほうが重要です。

展示場で光が混在する場合はどうすればよいですか?

自動露出に頼らず、車で露出を固定します。ホワイトバランスもオートではなく、一定のプリセットを使いましょう。屋外ではある程度のばらつきは避けられないと割り切り、仕上がりをそろえるのは加工に任せます。

RAWとJPEGはどちらがよいですか?

RAWは編集の自由度が高い一方、加工の専門知識と多くの容量が必要です。ほとんどの販売店のワークフローではJPEGで十分です。JPEG入力を前提に設計された自動ツールで処理する場合は特にそうです。ワークフローに合わせて選びましょう。

画像の説明

Tamas Magda

Car Background AIの共同創業者(事業成長・提携担当)

Tamas Magdaは、Car Background AI(carbackground.ai、CarBG)の共同創業者です。CarBGは、販売店の在庫車の写真の背景を差し替える、車の写真向けの画像編集AIです。提携、事業成長、事業設計を統括し、開発チームとは製品ロードマップを、販売店とはオンライン掲載に本当に必要なことを一緒に考えています。APAC(アジア太平洋)とMENA(中東・北アフリカ)で新規事業の立ち上げに携わってきた経験を持ち、在庫車の見せ方や販売店の写真ワークフロー、車そのものを変えずに掲載画像にAIを活かす方法について執筆しています。

TamasはCar Background AIの共同創業者であり、同社に金銭的な利害関係があります。Car Background AIに触れる記事には、この立場が反映されています。