販売店が知っておきたい、車の写真撮影の種類

在庫がネットでどれだけ早く売れるかを左右する要素のうち、販売店が最もコントロールしやすいのが車の写真撮影です。購入者は、雑然として統一感のない写真の掲載はすぐに読み飛ばします。目を留めるのは、すっきりとして明るく、きちんと撮られた車です。それでも多くの販売店は、展示場でスマホでさっと撮るという1つの方法に頼りきりで、目的や予算、掲載の種類に応じた5つの異なる方法があることに気づいていません。

本記事では、毎日の展示場での撮影からAIで仕上げるバーチャルスタジオまで、いま販売店が使っている車の写真撮影の種類をすべて解説します。読み終えるころには、自社に合う方法、それぞれの弱点、そして統一感があり規模を広げやすい掲載ワークフローにするための組み合わせ方がわかります。スタジオのレンタルを丸ごと省きたいなら、Car Background AIのAI写真編集ツールのようなツールで、スマホで撮った展示場の写真とスタジオ品質の仕上がりとの差を埋められます。

ひと目でわかる撮影方法

  1. 展示場での撮影
  2. スタジオ撮影
  3. ライフスタイル撮影・ロケ撮影
  4. 360度スピン
  5. AIで仕上げる車の写真

展示場での撮影:販売店の日常を支える主力

展示場での撮影は、販売店の在庫写真を支える主力の方法です。スタッフが展示場を回り、車を置いたままの場所で1台ずつ撮影し、掲載用に写真をアップロードします。すばやく、人件費以外の費用はかからず、スマホか一般的なカメラがあれば特別な機材もいりません。

メリットははっきりしています。どの車も入庫したその日に撮影できます。日程調整も、別の場所への車の移動も、カメラマン待ちもありません。毎週何十台も扱う回転の速い販売店にとって、人を増やさずに規模を広げられる方法は展示場での撮影だけです。

デメリットも同じくらいはっきりしています。背景にはほかの車、看板、フェンス、路面が写り込みます。光の具合は天気と時間帯しだいです。正午に撮る営業スタッフと午後4時に撮るスタッフとでは、仕上がりがまったく違います。その結果、在庫一覧の見た目がばらばらになり、購入者には管理が行き届いていない印象を与えます。

展示場での撮影は、後処理の流れと組み合わせたときに最も効果を発揮します。展示場で撮影したら、車の画像を整えるツールにかけて背景と明るさをそろえます。展示場撮影のスピードはそのままに、見た目のばらつきをなくせます。

展示場撮影をうまく回す:簡単な作業手順

次の手順で作業を標準化しましょう。

  1. 毎日同じ2時間の枠で撮影します。曇りの朝が理想的です。
  2. 撮る順番を固定します。斜め前、斜め後ろ、運転席側、助手席側、真正面、真後ろ、ダッシュボード、後席、エンジンルーム、走行距離計の順です。アングルと構図の詳しい解説は、12カットで撮る車の写真の構図テンプレートをご覧ください。
  3. 太陽に向かって撮影しないようにします。
  4. 車をフレームの中央に置き、左右それぞれ約10%の余白を残します。
  5. その日のうちに、写真一式を編集工程へアップロードします。

プレミアムな掲載に向くスタジオ撮影

スタジオ撮影では、プロ仕様の照明とすっきりした背景を備え、視覚的な邪魔が一切ない管理された環境に車を置きます。仕上がりは見事で、申し分のない映り込み、むらのない露出、上質さが伝わる見た目が得られます。

問題はコストです。社内に基本的な撮影スタジオを設けるには、車と照明機材が収まる専用スペースが必要で、一般に最低でも30×40フィートの広さがいります。さらに背景紙やホリゾント壁、4〜6灯のスタジオ用ストロボを加えると、最初の1枚を撮る前に$15,000〜$50,000の設置費用がかかります。継続的な費用として、背景の交換、電球の交換、1台ずつ車をスペースに出し入れする人手もかかります。

スタジオ撮影が理にかなうのは、看板となる車、認定中古車の展示、マーケティング用のメインビジュアルです。200台規模の展示場のすべての車に使うのは現実的ではありません。車を入れ、撮影し、出すという作業がボトルネックになり、専任チームがいても1日に撮れるのはおよそ8〜12台です。

マーケティング向けのライフスタイル撮影・ロケ撮影

ライフスタイル撮影では、海沿いの道を走るオープンカー、登山口に停めたSUV、高層ビルの前の高級セダンのように、物語を感じさせる場面に車を置きます。こうした写真は在庫の掲載用ではありません。SNS、Webサイトのメインバナー、広告キャンペーン、ブランド全体のマーケティングに使うものです。

制作の手間は相当なものです。ロケハン、撮影許可、モデル(人物を起用する場合)、プロの自動車カメラマンが必要になるため、ライフスタイル撮影は1回で1台あたり$2,000〜$10,000かかることもあります。日程は天気、ゴールデンアワーのタイミング、ロケ地の空き状況に左右されます。

販売店の場合、ライフスタイル撮影は四半期ごとに数台の目玉車両に絞るのが賢明です。撮影した写真はSNSや有料広告に使われ、1台ごとの販売よりもブランドの認知向上に役立ちます。この方法を在庫全体に広げようとしても、現実的ではなく、費用対効果も見合いません。

インタラクティブな掲載に向く360度スピン

360度撮影では、車を連続して回転させながらあらゆる角度から撮影し、購入者が掲載ページ上で車を自由に回して見られるようにします。Cars.comやAutoTraderなどの掲載サイトでもこの形式への対応が進んでおり、購入者の行動データからも、360度スピンによって掲載ページの閲覧時間が延び、直帰率が下がることがわかっています。

機材は、車専用のターンテーブル($10,000〜$30,000)から、決まった撮影ルートで撮った写真をつなぎ合わせるソフトウェア型のものまでさまざまです。ターンテーブルには、平らで水平な床と、ターンテーブルに加えてカメラとの距離を確保できる広さが必要です。ソフトウェアでつなぎ合わせる場合は、車の周りを等間隔に24〜72枚撮影する必要があり、床に印をつけるかレールを設置しなければなりません。

処理できる台数には限りがあります。ターンテーブルを使っても、360度スピンを一周撮るには1台あたり10〜20分かかります。掲載の期限が厳しい販売店にとって、この方法は通常の撮影に代わるものではなく、補うものです。

AIで仕上げる車の写真:ハイブリッド型の方法

AIで仕上げる写真は最も新しい方法で、ここまで紹介したすべての方法のコスト構造を変えます。考え方はシンプルです。最も速い方法(たいていは展示場での撮影)で撮り、AIの写真編集ツールでスタジオ品質に見える仕上がりに変えます。

中心となる機能は背景の削除と差し替えです。AIツールが車の輪郭を検出し、雑然とした展示場の背景を取り除いて、すっきりしたショールームや屋外の背景に差し替えます。高度なツールは明るさの補正や色の調整も行い、車が浮いて見えないようリアルな接地影も加えます。AIが露出の問題にどう対処するかについては、AIによる車の写真の明るさ最適化に関するガイドをご覧ください。

スピードの差は歴然です。展示場での撮影は1台あたり5〜10分。AIによる処理は1枚あたり2〜5秒です。2人のチームなら、午後だけで50台の撮影と仕上げまで終えられます。従来のスタジオ撮影なら1週間かかる量です。

そこで役立つのが、販売店のワークフローに合うCar Background AIです。車の画像専用に作られ、車の輪郭を学習しているため、汎用の背景削除ツールが苦手とするミラー、ホイール、映り込みもきれいに処理します。仕上がるのは統一感のある自社ブランドの掲載写真一式で、カーセンサーやグーネットなどの中古車情報サイトやFacebook Marketplaceでそのまま使えます。

AI処理が得意なこと

背景の差し替え、明るさの均一化、色の補正、統一された書き出し形式。手作業の編集で最も時間がかかるこの4つの作業を、AIならすべて数秒でこなします。

AI処理では代わりにならないこと

根本的にだめな写真は、AIでも直せません。構図が悪い、ピントが合っていない、アングルが間違っている写真は、どれだけ後処理をしても救えません。良い撮り方は今も欠かせません。AIが省くのは、面倒な後処理の作業だけです。

自社に合った車の写真撮影の選び方

方法

1台あたりの費用

1台あたりの時間

向いている用途

弱点

展示場での撮影

$0(人件費のみ)

5〜10分

日々の在庫

背景がばらばら

スタジオ撮影

$15〜$50以上(償却費換算)

15〜30分

看板車両

処理台数が少なく、設置費用が高い

ライフスタイル撮影

$2,000〜$10,000

1〜4時間

マーケティングキャンペーン

在庫全体には広げられない

360度スピン

$10〜$30(償却費換算)

10〜20分

インタラクティブな掲載

機材費とスペースが必要

AI仕上げ(展示場撮影+AI)

1枚あたり$1未満

撮影5分+処理は数秒

在庫全体を大量に

元の写真が悪いと直せない

扱う台数の多い販売店の多くは、方法を組み合わせると効果的です。日々の在庫は展示場で撮ってAIで仕上げ、スタジオ撮影やライフスタイル撮影はマーケティング用に限ります。こうすれば、すべての掲載でプロらしく統一感のある見た目を保ちながら、処理できる台数を最大化できます。背景選びも大切です。車の写真の背景テンプレートとオリジナル背景の比較記事では、販売店の規模に応じてどちらが拡張しやすいかを解説しています。

まとめ

どの撮影方法にも販売店の道具箱のなかで役割がありますが、大量の台数を扱うなら、どれも単独では機能しません。展示場での撮影はスピードを、スタジオは完成度をもたらします。AI処理はその差を埋め、展示場ですばやく撮った写真を、統一感があり中古車情報サイトにそのまま載せられる写真一式に変えます。いま優位に立っている販売店は、すばやい撮影とAIによる標準化を組み合わせています。展示場で撮影し、Car Background AIのようなツールで仕上げて、車が展示場に入ったその日に掲載用の写真一式をそろえているのです。

よくある質問

販売店にとって最も速い撮影方法は何ですか?

展示場での撮影とAIによる後処理の組み合わせが、最も速い方法です。スマホや一般的なカメラを使えば、チームで午後だけで50台を撮影でき、そのすべてをAIツールで数分のうちに処理できます。スタジオのような日程調整の遅れや処理台数の制約がなく、それでいてすっきりと統一感のある掲載写真に仕上がります。

販売店は撮影の際、1台あたり何枚撮ればよいですか?

多くの中古車情報サイトでは1件の掲載に15〜30枚の写真が表示されますが、撮影する枚数は1台あたり20〜25枚が理想です。内訳は、基本の外装アングル(斜め前、斜め後ろ、両側面、真正面、真後ろ)、内装(ダッシュボード、後席、トランク)、細部(ホイール、エンブレム、走行距離計)です。数枚多めに撮っておけば、撮影のペースを落とさずに編集担当の選択肢が増えます。

AIはプロの撮影スタジオの代わりになりますか?

在庫の掲載写真であれば、答えはイエスです。AIによる背景の差し替えツールは、中古車情報サイトへの掲載という目的なら、スタジオ撮影と見た目で遜色のない仕上がりになります。一方、ハイエンドなマーケティングキャンペーン、特集記事、印刷広告では、プロの照明を備えた実際のスタジオのほうが、AIでは完全には再現できないレベルの調整ができます。多くの販売店にとって現実的な答えは、在庫にはAIを使い、スタジオはマーケティング用に限ることです。

展示場での基本的な撮影には、どんな機材が必要ですか?

展示場での撮影なら、カメラ性能の良い最近のスマホで十分です。iPhone 12シリーズ以降やAndroidのフラッグシップ機種なら、中古車情報サイトの掲載に十分な鮮明さの写真が撮れます。AIによる補正と組み合わせればなおさらです。簡単な三脚やスタビライザーがあると仕上がりをそろえやすくなりますが、必須ではありません。それより大切なのは、撮影手順の標準化と後処理の流れへの投資です。

プロによる車の写真撮影の費用はどれくらいですか?

費用は方法によって大きく異なります。展示場での撮影は、スタッフの作業時間以外に費用はかかりません。社内にスタジオを設ける場合は、機材とスペースに$15,000〜$50,000かかり、維持費も継続的に発生します。ライフスタイル撮影でプロの自動車カメラマンに依頼すると、1回あたり$2,000〜$10,000です。Car Background AIのようなツールを使ったAI仕上げなら1枚あたり$1未満で、大量の台数を扱う販売店にとって最も経済的な選択肢です。

掲載の成果を下げてしまう撮影のミスには、どんなものがありますか?

よくあるミスは3つです。背景がばらばら(在庫一覧のなかで場所、光、アングルが車ごとに違う)、バンパーやミラーが切れてしまう構図、濃い影ができる真昼の強い光での撮影です。どれも在庫ページを素人っぽく見せ、購入者の信頼を下げます。撮影手順を標準化し、写真を一貫した編集の流れにかければ、こうした問題のほとんどはなくせます。

小規模な販売店にとって、撮影スタジオは投資する価値がありますか?

ほとんどの小規模な販売店にとって、答えはノーです。展示場で撮影してAIツールで仕上げれば、掲載用として同等の品質が得られるため、実際のスタジオに必要なスペース、機材費、処理台数の制約に見合う投資にはなりません。スタジオが採算に合い始める損益分岐点は一般に月200台を超えるあたりで、その場合でも、スタジオをマーケティング用の撮影にも使うことが前提です。

画像の説明

Tamas Magda

Car Background AIの共同創業者(事業成長・提携担当)

Tamas Magdaは、Car Background AI(carbackground.ai、CarBG)の共同創業者です。CarBGは、販売店の在庫車の写真の背景を差し替える、車の写真向けの画像編集AIです。提携、事業成長、事業設計を統括し、開発チームとは製品ロードマップを、販売店とはオンライン掲載に本当に必要なことを一緒に考えています。APAC(アジア太平洋)とMENA(中東・北アフリカ)で新規事業の立ち上げに携わってきた経験を持ち、在庫車の見せ方や販売店の写真ワークフロー、車そのものを変えずに掲載画像にAIを活かす方法について執筆しています。

TamasはCar Background AIの共同創業者であり、同社に金銭的な利害関係があります。Car Background AIに触れる記事には、この立場が反映されています。